前の記事:生まれ変わったD型ルンバは何が違うのか? 「iRobot ルンバ S9+」体験レビュー(前編)

わが家の大切な家族となって久しいルンバさんを生んだiRobot は、今年で創設30周年なんですって。

フロアに段差なく、障害物がない限り、どこまでも進む。力尽きるまで。
力尽きたとしても、健気におうちに戻ってパワー充填してまた進むルンバ。
ロボットが持つ最先端技術でお高くとまっているようなイメージは今は昔、意外に猪突猛進な健気さが、ここまでルンバが普及してきた魅力ですね。

そんな今年は、iRobot の英知を集結した S9+ が発売されて、とどまる所を知らない進化に驚かされましたが、もう一つ特筆したいのは、「iRobot HOME」アプリの進化です。

今年の夏にアップデートされた際には、アイロボットファンプログラムを通じて 「iRobot HOME アプリオンライン講座」も開催され、その全容を教えていただきました。

私はiRobot アプリの初代から使っていますが、今回はインターフェースもがらっと変わり、優れた学習機能(AI)で最適な清掃を「一緒に考える」アプリになってきたのが驚きです。

わが家の機種、ルンバ980では体験できない新機能も追加されたので、アイロボットファンプログラムよりS9+をもう一度お借りして、秋のおうち時間でアプリの新機能を体験したことを、遅ればせながら今年の締めとして振り返ってみましたよ。

 

ピンポイントに、掃除したいところだけ狙い撃ち

新アプリを褒め称えたいけど、その前に。
まず私は一言言いたいね。

「CLEAN」ボタンを返してくれ!

(写真左より旧アプリ、新アプリ画面)

「CLEAN」ボタンがルンバのシンボル的存在だったのに・・・。
どこからスタートするのか、一瞬真剣に悩みましたよ。

ちょっと寂しいけど、まぁそれはいいでしょう。

清掃中はアプリの画面でもルンバもずっと動いていて、「頑張ってるんだなぁ」と愛おしいです(←親バカ。

閑話休題。

新しいアプリは、インターフェースの変貌以外にも、より細やかにパーソナルな掃除に対応できるようになりました。

ルンバのリモート操作やスケジュール管理、部屋の間取り記録や進入禁止エリアの設定(対応機種のみ)といった従来機能に加え、部屋単位より細かい部分清掃エリアやその掃除順番を設定でき、さらに自由に「今掃除したい場所とルート」でルンバを動かせます。

例えば、朝起きたら、朝ご飯を食べている最中にベッドの下や寝室を掃除して、歯を磨いて着替えている最中に、落ちたパンくずを拾うためにダイニングテーブル下だけを掃除して、テレワーク中にはリビングを、ランチ中にはパソコン部屋を掃除する。

スマートスピーカー連動なら、料理が終わったら「ルンバ、キッチンを掃除して」、食事したら「テーブル下を掃除して」とお願いするだけで、アプリを起動することすらない。

一日中家にいても、邪魔されることなく、気がつけば家全体の掃除が完了しているとは、なんてミラクル。

私は、エリアごとに時間指定を設け、ルンバが作業部屋に向かってくる音で「お、ランチタイムだな。」とか気がついたり、もはやルンバが私に合わせてるのか、私がルンバに操られてるのかわからないのがまた楽しかった!

 

「面倒くさい」の壁がなくなればルンバを導入しない理由がなくなるはず

ルンバ導入に躊躇する人の一番の理由は、実は価格ではなく、「ルンバを動かすためにまず部屋を片付ける」という面倒くささではないでしょうか。
「ルンバは家全体を一気にかけなきゃ」というイメージがまだ強く、前片付けのハードルがさらに上がり、楽をするための掃除機がかえって面倒くさいなら買う意味などありません。

もちろんどんなにルンバやアプリが進歩してもその面倒臭さは変わらないけど、今回のアプリ機能なら、そのハードルがかなり下がるはずです。

そこで、ズボラで定評があるわが家の具体例を恥ずかしながらご紹介。

CASE1

ダイニングの椅子をどうするか問題

ダイニングテーブルの下を掃除したい場合、今までは椅子をテーブル上にあげるか別の部屋に移動し、移動した部屋は別途掃除する必要がありました。

例えば新しいアプリでやるとどうなるか。
1.事前にマップで「ダイニングテーブル下」を部分清掃エリアに設定。(「リビングルーム」の一部分)
2.掃除の順番を「リビングルーム」⇒「キッチン」⇒「ダイニングテーブル下」で実行。

すると、スタート時は椅子をテーブルにセットしたままリビング全体掃除され、ルンバがキッチンに行ったタイミングで椅子をリビングの隅にずらしてテーブル下を開けておくと、キッチン帰りのルンバが「テーブル下」エリアだけを掃除してホームに帰るという流れに。

外出中にやるなら、とりあえず家全体清掃しておいて、帰宅後にちょっと椅子をずらして「テーブル下」だけ追加すれば5分とかからずに掃除は終わります。

 

CASE 2

作業中の場所はほっといて!

例えば、ジグゾーパズルとか、鉄道模型とか、三脚と照明を立てっぱなしのブツ撮りコーナーとか、部屋の一部を占拠して作業している場合、掃除の時だけ簡単に移動できないし、かといって部屋そのものを掃除しないままだと他の場所の埃が溜まる一方・・・。

そんな時はその一帯だけを進入禁止エリアにすれば、作業に没頭している最中でも、ルンバは器用にそこを避けて周りをピカピカにしてくれます。
もっと細かく、ルンバに体当たりしてほしくない観葉植物とか、高価な家具とか置物レベルのエリア指定ももちろん可能です。

わが家はベッドわきにあるハンガーラックや、寝室角にあるカーペットの端とルンバがいつも喧嘩して抜け出せなくなるので、そこだけは近づかないように指定していました。

部分清掃エリアや進入禁止エリアのように、ポイントを押さえた掃除のON・OFFを設定すれば、ぶっちゃけ、掃除したい場所以外はかたづけなくてもいいんですよ。いや、本当に。その位のスタンスで十分。

このアプリが進化したことによって、ルンバのメリットは単なる家事時間からの解放という表面的自由より、人それぞれの生活に寄りそう本当の意味でのストレスからの解放、というか「ココロの自由」を実現したのではないでしょうか。

ルンバの次はやっぱりルンバがいい

モニター期間も無情に過ぎ、ふたたびS9+は帰っていきました。
このままずっといてくれてもいいのにね(毎回思う)。
よく「モニターできてうらやましい」とか言われるけど、むしろ使い続けたいのに返さなきゃいけないのは生殺しなんですよ・・・。

帰る前にMYルンバと並べて恒例の記念写真。

MYルンバの980はまだまだ健在だけど、マッピング機能はないのでエリア指定のような今回の新機能を活用することはできません。
この快適さを知ってしまったからには、980が大往生した際はやっぱりまたアプリを最大限活用できるようなルンバをまたお迎えしたいなと思いました。

今はルンバやブラーバの「サブスク」もできる時代。
すぱっと買い換えるというよりは、今の生活にはどんなルンバがあっているのか、自分の機種とどう違うのか、その機能は欲しいのかどうか見極めるのに「お試し」で数ヵ月使ってみて、じわーっとスライドするのもありかもしれません。

→ルンバのサブスク「ロボットスマートプラン+」