いつも写真の心を教えてくれる場所・大磯~写真展「小澤忠恭の私版大磯百景」&撮影地めぐり

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小澤忠恭の「私版大磯百景」写真展@ギャラリーさざれ石

昨日はぶり返した残暑が厳しく、海水浴でもできそうな勢いの真夏日。だからというわけではないですが、湘南の地・大磯へ出かけました。
大磯来訪は昨年の撮影会に次いで2度目。目的はいつも同じなんですが、SONY製品の広告写真やセミナーをいつも拝見し、最近ではFacebookでも交流を持たせていただいている写真家・小澤忠恭先生にお会いするため。

今回は、大磯在住の小澤先生が5年間かけて地元の愛する風景を撮りためた50点の写真を、「私版大磯百景」として、大磯駅ほど近くにある「ギャラリーさざれ石」で個展を開いているということで、遊びに行ってきました。

中はカフェも併設されていて、先生とお客様が写真談義をしたり、ご近所の方同志が連れ立って、見慣れた風景の写真を見ながら世間話をしにくるなど、ゆったりとしながらも確かな芸術の力を感じられる不思議な空間になっていました。

上の写真は奇跡的に人が少ない瞬間ですが、実はひっきりなしに訪問客があって小澤先生は立ったり座ったり子供をあやしたりと結構お忙しい(笑)。

なので、一度ギャラリーに顔を出しご挨拶した後は、一緒に行ったカメラ仲間のともちゃんと大磯の街並みを撮影に出かけました。

知力・体力・時の運?「“私版大磯百景” の追跡ごっこ」とその結末

実はこの写真展の裏では、今回展示されている「私版大磯百景」の撮影地で同じ写真を撮ってくる「追跡ごっこ」なるシークレットミッションが存在します。
小澤先生自らFacebook上で企画してくださり、写真の事前公開、しかも全撮影ポイントのピンセッティング済みのGoogle マップまで提供と、至れり尽くせり。
珠玉の写真を撮る人は珠玉のゲームマスターでもあるんですね!
参加を表明した有志の写真好きが 連日チャレンジを続けています。(※現在は参加締切終了。)

ギャラリー手前のポイント・愛宕神社下の切通し。

見本写真の画角、アングル、雰囲気などを確認しつつ、自分もその場所で撮影してみる。でも、同じ場所のはずなのにファインダーをのぞいた瞬間の何とも言えない違和感に最初は愕然としました。
何が違う?高さなのか、向きなのか・・・。画角はある程度合わせた。季節が違うから色味は合わないとしても・・・でもなぁ・・・などと頭の中がぐるぐるしながらも、その場で答えは出ず、何枚か撮って次のポイントへ。以下この繰り返しが、まさかあんなことになろうとは(笑)。

途中歩く道すがら、ふと目に入った何気ない風景も撮影。課題をこなすという制限付きの「追跡ごっこ」をやっている反動で、本能がおもむくままにシャッターを切る快感がいつもより感じられて、いろんなところで止まっちゃって、なかなか進みません。課題もないのに、自分でも何にこだわってるのかわからない位、石一つにもこーじゃない、あーじゃないと、よっぽど枚数撮ったりして。

また少し歩いたところにある名跡「鴫立庵(しぎたつあん)」も撮影ポイント。
西行法師の詠んだ名歌「こころなき 身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の秋の夕暮れ」が詠まれた地として、この庵が創設され、名がついた場所。ここの前の交差点の名前も「鴫立沢」。

「しぎたつさわの あきのゆうぐれ」というフレーズの“音”が昔から好きでしたが、不勉強のため、この由来が大磯にあるとは今回初めて知りました。
意味もなく「しぎたつさわだー」「あきのゆうぐれだー」とうろうろしちゃった(←言いたいだけW)

鴫立庵前の涼しげな沢。もしかして鴫立つ沢?とも思ったけど、そもそも西行があの歌を詠んだのはここでも、思い描いた風景は違うという説もあるから。


そういえば、ギャラリーの入口にも、この和歌が書かれたオブジェが。大磯のシンボルとして住民の愛着もあるんでしょうね。

そもそも今回の相棒とは、かねてから「撮影のための散歩」じゃなくて「散歩のついでにたまに撮影」的イベントを計画していて、大磯はその絶好の機会でした。
でも、最初のノリは「お昼何食べるー?海が見たいー。暑いねー。のどかわいたー」みたいなくだらない話をしながら、ゆるい散歩をしていたはずが、そこはやっぱりカメラ女子。一つ目当てを見つけると一気に集中。


体に磁石が埋め込まれている疑惑がもたれる鉄骨萌えの私は、もちろん「鉄ある方へ」ふらふらと。
しかし、真夏日の昼間にのこのこと海岸に出かけたら最後、あっという間に暑さと湿気が致命傷に・・・(-_-;)


かくして、ヘタレ女子2名は昼前にして早々に脱落決定(笑)。ギャラリー横の絶品鳥料理を食べて機嫌は直るも、体力は最後まで戻らず、ギャラリーへとすごすご引き上げたのであった・・・。


でも、本来の目的は散歩より展示鑑賞ですから!
戻った時先生はお客様とお食事中でしたが、その間に涼しい室内で写真に熱い視線を送っておりました(何の弁明よ・・しかもうまいこと言ってもないし)


ふうぅぅ。やることやったし、見るもの見たし、あとは女子会ターイム♪
自分の家かって言うくらいヽ(´ー`)ノマターリ
ここの居心地の良さがいけないんですよぅ(無反省)。


途中から、他のカメラ仲間ご一家とも合流、まったり歓談するかと思いきや、カフェに入る優しい日の光に、眼光は鋭く反応し、ファミリーフォトの撮影会へ突入。

「いい光来ましたー!いいよいいよー!こっち向いてー」。
お二人目がもうすぐ生まれる奥様と、お兄ちゃんになる3歳のゆうくんの幸せそうな写真を、私達も便乗して撮らせていただきました。あぁ、癒されるわ、写真が楽しいわ。幸せなひととき。興奮の中、小澤先生が帰ってきて、ちょっとあきれてたみたいですが(笑)。
もうね、HP全回復ですよ(外に出なければね)。
でもこの後そのHPはすぐにゲージゼロになるのだが・・・・。

今日一番の汗が流れる戦慄の「追跡ごっこ」採点結果

裏イベント「追跡ごっこ」のクライマックスは、小澤先生自らの採点です。事前には参加者の名前・写真(Facebookのプロフィール写真)付のポイントカードが配られ、撮影したポイントをチェックした後、写真と共に提出。
先生の見本はSONY Z1 tabletで、参加者は撮影したカメラの背面液晶で比較しながら、講評に入ります。


参加者が遠方から来てる場合や、体力、他の用事との時間制限などの差があるため、撮影箇所の数は、あまり問題ではないけど、作品の正確性とその上での独創性が加点対象で、もちろん曖昧な写真には減点もあり。
先生とは季節も、時間も、機材も違うのは すべて分かってくれているし、カメラ液晶での判断だから、現像による小手先修正も通用しない。
問題は、「何を思ってこれを撮ってきたのか。」

例えば、大磯駅前の風景。

小澤先生「僕は駅前に誰もいない瞬間を待ち、ただ手前に信号待ちの自転車を一台入れることで無人の横断歩道を引き立たせている。さて、あなたの写真は画角はあっているが、何をどんな意味で写真に入れているのか、言ってみなさい。」

何をって・・(゚∀゚ ;)。
画角をトレースするだけで精一杯で、正直意味など考えなかったというのが現状です。ただ、あのファインダーをのぞいた時の違和感はこれだったのか、と感じました。写真には意味がある。目の前に広がる風景がどんなにキレイでも、カメラの後ろにいる人の心がそれぞれ違った意味で反映されるのだから。

それじゃなかったら、名作と言われる写真はすべて模倣でき、価値はなくなる。

(左:先生の作品画像、右:私の撮影画像)

学ばなければならないのは、課題作品のトレースという、他人の撮影を追体験することで、まずレンズや立ち位置、アングルなどによる違いを自分で認識し、その上で自分の想いや好みをアレンジしてみる。そのためにはカメラを向ける前に、自分がその場所で感じたことと表現してみたいことと向き合わなきゃいけないということなのかなと。

難しく考えなくても「この花好きだなぁ」だけで撮るのもいいけど、「どういう風に撮ったらもっと可愛いかなぁ」「後ろに子供が駆け抜ける瞬間をまったら、雰囲気が柔らかくなるかなぁ」とか意識するだけでも、何か写真が変わってくるような気がしました。

穴があったら・・というより、「穴があっても入れない」位、未熟さを自覚した採点が続いたものの、6か所しか回らなかった私達はすぐ終わる・・と思いきや、「課題と関係なくていいから、私しか撮れない大磯!って写真があればどうぞ。」と。

ごめんなさい、ごめんなさい・・・・駅⇒ギャラリー⇒海岸を結ぶ一本道以外ほとんど動かなかったのでほぼ皆無・・・。
一応、恐る恐る数点見せるも、「で?」で終ー了ー!

「この標識大きく撮りたかったんでけど、望遠じゃないと届かなくて。」なんて言った日にゃ、「はい、機材のせいにしたー。マイナス1点」(-_-;)。

最後に、「何か言いたいことは?」と聞かれ、キッパリ「ございません!以上です。」と答えた私。

その潔さにプラス1点いただきました(笑)。
ちなみに、事前準備として作品のサムネイルリストとマップ印刷を持参したことへの加点1点もいただき、何とか総合マイナスは回避。(全然写真の加点じゃなーーいw!)
それでも景品の「湘南タコせんべい」をありがたくいただきました。

20か所以上回ってる人には数十分かけて講評するのだから、これを参加者ごと一枚一枚やってるかと思うと、頭が下がりすぎます。

プロの写真家は、納得する作品を撮影するために、時を待ち、人を待ち、季節を待ち、風を待つ。しかも偶然を願うのではなく、必然を狙うために。

その覚悟と信念を身を持って教えられた貴重な一日でした。
今度は体調万全で、覚悟も万全で、また大磯リベンジ!
先生、今度は美味しいもの食べに連れてってくださいね(ぉ?

追跡ごっこは出来なくても、この写真展は3連休がある9月16日まで開催されているので、素敵な大磯の風景ととも是非!

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小澤忠恭の「私版大磯百景」展
2014年8月29日~9月16日

ギャラリーさざれ石(大磯町大磯1174)
Tel 0463-67-9662
営業時間:11:00~18:00


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