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去年10月、Kindle Paperwhiteで買った初めての電子書籍小説が「清須会議」です。

元はといえばもちろん我らが(?)大泉洋さんが三谷映画のメインキャラにいよいよ初登場!と聞いたのがきっかけですが、三谷映画も三谷演劇も大好きなので、公開までの日々が待ち遠しくて・・・。やっと、今日公開です。

なげーよっ!

確かにNACSファンの私としては映像的に大泉さんに期待するのですが、それより小説「清須会議」は、私の速読スピードの自己ベストを大幅に更新するほどするっと読めるほどの面白さ。
当時Kindle Paperwhiteの使用レビュー記事に「とてもさくさく動きます」なんつって書いてたのは、実は「清須会議」を読んでたから錯覚したんじゃないのか位な(笑)。

登場人物の心情をそれぞれの立場と言葉(現代語訳)でモノローグとして語られていくスタイルが特徴的で、例えば・・・・(以下「清須会議」から引用)

燃えさかる本能寺本堂における織田信長断末魔のモノローグ(現代語訳)

-熱いな。だいぶ熱くなってきた。

-六十あたりで天下を統一してさ、後の十年は安土城で悠々自適の生活。外国にも行ってみたかった。

-(明智光秀は)なんであんなに腹立たしい目をしているのかじっくり観察したことがあるんだよ。それでわかったんだ。あいつ、白目の割合が人よりちょっと多いんだよ。(中略)

-(本能寺の変は)誰かが光秀の背後で糸を引いてるんじゃないかとか、いろんな憶測が流れると思う。でも、本当は、光秀の顔なんだよ。あれがすべての始まり。そんなもんだよ、世の中って。

-そろそろ腹でも切るか。(中略)今、ちょっと腹の皮を切ってみた。あ、意外と痛い。お腹切るのって結構きついんだね。
(以上引用ここまで)

全部史実に基づくことじゃないにしても、相当三谷さん自身が歴史を深く勉強して、それをうまく脚色して、歴史が動く「原因」と「結果」がとてもわかりやすかった小説でした。
CSチャンネルの「日本映画専門チャンネル」では、三谷さんが特別講師となって、爆笑の日本史と構想40年の『清須会議』の魅力について語る授業「三谷塾『清須会議』予習ゼミナール」も放送されています。
これ、日本史の教材にしてもいいんじゃない(笑)?って位、面白かったです。

清須会議のセットや小道具が展示されている「種田陽平展」

さて、公開まで1年もあると、制作発表やクランクイン・クランクアップ、完成披露試写に東京国際映画祭出品、そして怒涛のバラエティ番宣出演と、もう十分映画を見た気になるほどの情報洪水に溺れてきましたが、先週は究極の事前ネタバレ、映画美術の展覧会に行ってきました。

上野の森美術館で開かれている「種田陽平による三谷幸喜映画の世界観展」です。

種田さんは、三谷映画直近3作品(「THE有頂天ホテル」「ザ・マジックアワー」「ステキな金縛り」)だけでなく、タランティーノ、チャン・イーモウ、キアヌ・リーブスの監督作品を手掛けて活躍している美術監督。

「キル・ビル」で栗山千秋が鉄球振り回してたあの青葉屋のセットも種田さんなんだと、今回の展覧会で初めて知りました(笑)。

展示スペースは基本的に撮影NGですが、各映画のセット写真をバックに記念撮影できるスポットが用意されています。

「ザ・マジックアワー」の守加護タウンのセット写真前。写真で見ると街にたたずんでいるようにも見えます。

「ステキな金縛り」の大法廷セット写真と裁判官の特注椅子。皇室御用達でローマ法王来日の際の椅子も作ったことがある職人作で、座って記念撮影できます。

そして、清須会議コーナーでは、セット模型や実際に撮影で使われた小道具などが展示されています。

また、展示の途中には、三谷監督自らの各映画制作当時に撮影したであろうセットの案内解説ビデオが流れています。いい休憩(仮眠w?)場所です。

私達が行った日はちょうど種田陽平さんご本人が裏話を語るギャラリートークの日。

展示を一通り見た後に、足も疲れたから座って話が聴けるのを楽しみにしていたら、なんと参加者を引き連れて美術館の展示を解説して回るという前代未聞の企画で、プラス1時間半立ちっぱなしでしたとさ。

いや、貴重な体験でしたけどね!ちょっと疲れただけですよ!

いよいよ劇場へ!映画「清須会議」公開初日レイトショーへ参上(ネタバレなし)

というわけで、十分すぎるほど(もう全部見た気がする位の)予習を経て、待ちに待った公開初日、レイトショーで見に行ってきました。

ちょっ!まじすか!こんなに「featuring 大泉洋」でいいんですか。役所さんサイドからのクレームは来ませんかw?

ファンとしては、二枚目も三枚目も大泉さんの魅力全開な映画を三谷演出で見られて感無量ですが、あまりの出番の多さに最後には「もう少し伊勢谷友介さんが見たいのに・・」とイケメン欠乏症になってしまったほど(妻夫木くんはそもそもバカ役だからイケメン封じられてるしw)。

関ヶ原の戦いだの、誰かが死ぬだのという「THE エンターテイメント」なわかりやすい盛り上がりはないんですが、三谷流ユーモアもふんだんにあり、深い所での心理戦あり、後で考えるとちょっとぞっとするようなことまでサラっと描ききっています。

ネタバレは避けますが、一つだけ。映画と原作は別物と考えていいでしょう。エピソードとストーリーはまんま同じですが、原作はそもそも「登場人物の心のダダ漏れ」で構成されており、実際の会話劇には使えない言い回しが多いのです。

もちろん映画では、味方との会話時に、行動とは裏腹な本心が暴露される部分もありますが、原作ではさらに「誰にも語れない(いちいち語る必要もない)心のつぶやき」が面白かったりするので、原作をすでに読んでいる人はそこを割り切って見るべきでしょう。

順番的には映画⇒原作だと、情景が思い浮かべやすく、さらに「実はあの時こう思っていた」という深い部分がわかって2倍楽しめるかもしれません。私ももう一回読もうっと。

これは「種田陽平による三谷幸喜映画の世界観展」で展示されている清須城の模型です。

映画オープニングは、広げられた戦国絵巻で「本能寺の変」前後のエピソードが語られ、舞台はそして清須へ・・・と動く時に絵巻から清須城へと切り替わり、正面の扉に寄ってって、ゆっくり開かれると、清須会議の舞台となる大広間が画面に見えてくる。「清須会議」タイトル、ドーーン!

・・・という撮影に使われたらしいっす。

いやぁ、映画では普通に建築物に見えたからすごいですよ。カメラワークの妙だし、模型の妙だし。

ここは撮影OKだったので、私も目線を模型に合わせてカメラを向けてみると、そこに人がいてもおかしくないような写真が撮れました。楽しいな、これw!

映画で見たアングルとかを思い出して、もう一度この模型を撮影しにいってみたいです。

美術展では他にも清須城全景模型とか登場人物の部屋見取り図やデザインコンセプト、話のキーアイテムとなる小道具もあり、正直ここまで事前に見ちゃって興ざめしないかなと思ってたんですが、知っていたからこそ味わえる懐かしさとか、あのちゃちい模型がよくぞここまで(笑)とかいう勝手な身内スタッフ感覚が味わえるかもです。

予習にも復習にもなる「種田陽平による三谷幸喜映画の世界観展」、三谷ファンだけでなく映画ファンにはお勧めの展覧会ですので、あと一週間の会期中に是非。

種田陽平による三谷幸喜映画の世界観展
映画「清須会議」公式サイト


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