まさかアイロボットが「掃除機がけと拭き掃除の2in1」の潮流に乗ってくるとは思わなかった。
すでにルンバ&ブラーバという神タッグが確立されていて、もちろん2台を1台にできるメリットはあっても、各々の専門性と圧倒的な性能がどっちつかずになったら本末転倒な気がして。

障害物を見分けて避けて掃除する「ルンバj7シリーズ(j7/j7+)」(2022年2月発売)に、1年も経たず、今度は床拭き機能を搭載した「ルンバ コンボj7+」(以下コンボj7+)とアップグレード、というかトランスフォームして、ついに2in1市場に参入してきたのです。

ルンバJ7+の障害物検知も以前モニターして、その便利さは十分わかっている。
なんならブラーバジェットm6も一緒に借りて、その神連携とその床の輝きを覚えている。

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ではコンボj7+はそのいいトコどりなのか?それとも不安的中か?
恐いもの見たさに今回も、アイロボットファンプログラムを通じて3か月間モニターしたので、その感想をレポートしていきます。

ルンバ コンボ j7+外観とファーストインプレッション

外観ベースはほぼルンバj7+ですが、コンボj7+の特徴は本体天面の床拭きモップパッド。床掃除するモップパッドが、カーペットに差し掛かると天面へ戻りカーペットを濡らさない「パッドリフティングシステム」が搭載されています。
前面ブラシで通常の掃除機掛けをしながら進み、後方ダストボックス横の水タンクから洗浄液が噴射され、それをモップパッドで拭き取る仕組み。

カメラやセンサーで床を自動検知、掃除機のみと水拭きを自動的に切り替えながら進みます。
何はともあれ、一通りデフォルトで「すべて清掃(掃除機がけと拭き掃除)」でLet’s Clean!


拭き掃除のターンになると、ゴミの吸引音が止まりおもむろにパッドが動き出す瞬間は、まさにトランスフォーム!

アームでしっかり圧を掛けながら進むので、床を撫でるというよりは、手でゴシゴシしている感じ。

下は新品未使用のモップパッド。上が1回目の水拭き清掃終了後。黒・・・

拭き掃除をほぼしない我が家で、あっという間にパッドの色が変わりましたよ。やはり掃除機がけだけでは味わえない、べたつきとざらつきのないフローリングは最高です。

昨年の年末大掃除には、玄関を掃除している間に、キッチン周りの床をコンボj7+にお任せしようと思ったけど、結局見入ってしまい、自動清掃の意味はなし。

 

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進化した iRobot OSで自分にあった清掃スタイルを一緒に作り上げる

コンボj7+を使うには、まずiRobot Homeアプリと連携、マッピングランで、間取りと家具配置、カーペットやラグの位置を記憶させます。

カーペットやフロアマットの位置は柄がついて認識されている。

既存のルンバですでにマッピングデータがあれば共有できるので、マッピングランの手間は省けます。
最初はできるだけ理想的に部屋を片付け、障害物をなくし、カーテンや照明などで部屋を明るくしてからマッピングすると、より精度をあげることができます。

マッピング完了後は部屋ごとに「掃除機がけのみ」「掃除機がけと拭き掃除」を選択したり、水分量や走行回数など細かな使い分けもできます。畳は何もしないと水拭き対象と認識されるので、水拭きをしたくない場合はそのエリアを「掃除機がけ」のみに。

任意の部屋やモード設定をお気に入り登録して、リモートワークのランチ中に「仕事部屋と廊下をサクッと掃除機がけ」とか、仕事部屋に戻ったら「リビング+キッチンの掃除機+水拭きで食べかす一掃」とか、ライフスタイルに合わせたカスタマイズが無限大にできるところまで含めてまるごとコンボj7+の魅力でもあります。

 

日々の清掃を元に新しい清掃エリア設定をアプリが提案

我が家は日常的な拭き掃除しない分(しろよ)、傷や汚れ防止にラグやフロアマットを敷いていますが、拭き掃除の自動清掃を取り入れるにはこうしたマットが逆に悩みの種に。

マットは掃除機をかけてほしい、でもそこ含めた周囲の床は拭き掃除してほしい(矛盾)。

基本的には見えてる床だけ拭き掃除してくれればというスタンスですが、今回コンボj7+で、時々キッチンマットをどけて掃除をしたところ、3回目位でアプリの方から逆に部分掃除エリア設定の提案をしてくれました。

【提案までの流れ】
1)マッピングデータにはシンク前にキッチンマットがあり、そこは水拭きしないと学習済み。
2) キッチンマットをどかして掃除しても、最初はマット(があるべき)場所は水拭きせず。
3) 3回連続でキッチンマットをどかして掃除をしたら、「部分清掃エリア」として全体を水拭きするエリア指定を別途提案される。

エリア、もちろん最初から自分で考えて登録はできますが、アイロボット製品のプラットフォームである「iRobot OS」はライフスタイルや好みに合わせた清掃体験を提案するAIとして、ユーザーの日々の習慣を学習しながら、先回りして教えてくれるのです。

自分でも無意識に同じ時間や設定を使っていたら、それを覚えようとしてくれるってすごくないですか?

今回は、通常そこにはマットがあることが多いのでマッピングの学習データはそのままにし、マットをどかしてしっかり清掃したいときに、別途そのエリアを水拭き設定つけて集中清掃しようぜ、ということです。

「シンク前の床」と命名し、掃除機がけ+拭き掃除で集中清掃。ものの5分で終了。

他にもダイニングテーブル下も部分清掃エリアに設定。全体清掃後に椅子をどかして部分清掃してもらってます。
毎回一気にやろうとせず、やれるときにやりたいところだけするのが、マイ・ルンバ・スタイル。

 

ルンバの障害物検知は日々学習していく

j7シリーズの障害物検知は、前回j7+をモニターしたときより、公式に認定している障害物(※1)も増え、確かに賢くなっていました。世界のゴミデータベースが着々蓄積されている証拠ですね。しかし、クリスマスツリー・・・どうやって認識してるんだろう?

※1:回避する障害物:コードやケーブル、ペットの排せつ物※2、 靴やスリッパ、靴下、ファブリック、衣服、リュックサック、ペットの食器、猫用トイレ、ペットのおもちゃ(ボールやロープなど)、クリスマスツリー。回避する障害物は順次アップデートされます。
※2:犬または猫の固形の糞のみ(毛玉や吐しゃ物、液体は対象外になります)(アイロボット公式サイトより引用)

ウチ独自の障害物も日々進化(増加)してますから、今回も世界中のルンバ向上の一助となっているはず。

やはり紐状のものは敏感に検知して手前でストップ、巻き込みを防止。逆にバッグ本体にはソフトタッチして軽く場所移動していました。
充電したまま置き去られたハンドマッサージャーには近寄らず。ぱっくり口を開けた小動物に見えたのか、ちゃんと障害物として認識したのかは不明。

障害物検知機能は、まだj7シリーズにしか搭載されていませんが、この知識とデータは今後低価格帯モデルにも踏襲されていってほしいです。(対応カメラ搭載が必要となるので、この後の新製品に期待)

 

ルンバ コンボ j7+があると生活はどう変わる?

自分の性格はそんなに簡単には変わらない。
例えば、三脚を立てっぱなし(さすがにカメラはなし)、リュックは床置き、Amazon箱が山積み、充電コードが床に垂れているとか。
従来はルンバの稼働を諦めていた状況に、あえてコンボj7+を放ってみた結果を、最後に恥ずかしながら公開。

障害物検知だらけですが、モノを壊したり遭難したりはせず無事完了。
およそ掃除とは言えないレベルでも、本来0%だった日に70%の清掃はできている。
この結果が私を少し気楽にさせてくれました。

見えているところだけでも安全に掃除できるのなら、週末1回の100%清掃より、毎日の70%の積み重ねの方が生活環境は変わります。(低レベルなスタートラインですみません)

掃除へのプレッシャーを取り去り、見えるところはピカピカに、隠れたところはさらに汚く(笑)、結果的には「やべぇ、残りもちゃんとやろう」というモチベーションアップにつながるというオチに、感動すら覚えました。

最初の「アイロボットに2in1は必要か?」という疑問に関しては、掃除機機能はやっぱりルンバは最高だった一方で、ブラーバの拭き掃除のキレイさを経験している身としては、拭き掃除のバリエーション(ドライ/ウェット、使い捨てパッドの選択肢、ジェット噴射量など)に少し物足りなさを感じたのは正直なところ。

それでも専用機2台で掃除に力を入れていく以前の問題として、「当たり前に掃除できる毎日」を送れる手軽さをコンボj7+1台がくれたのも事実。
堕落した生活環境矯正マシーンとしての2in1は、他でもないルンバがいいと思わせてくれる機種でした。

では、今から購入検討する人へ、コンボj7+がいいのか、ルンバ&ブラーバがいいのか、両方を試した経験から各々のメリットや向き不向きなどを語ろうかと思ったけど、思いのほか長くなってしまったので、それはまた別の話。(続く)