2016年から始まった国立天文台野辺山観測所での特別星空撮影会は、第1回参加者の写真が話題となり、第2回には全国からかなりの応募があったらしく、私の周りのカメラ友達も軒並み応募しましたが、結果は私一人の単独当選。めちゃくちゃ不安ながらも、嬉々として準備していたところ、無念の悪天候(予想)による前日中止でした。あれ、あの日は本当はどうだったんだろうな?と今でも思います。

過去記事:幻の星空はまたいつか・・・@国立天文台野辺山星空撮影会、雨で中止に

近いうちに必ずまたというお詫びがあったものの、翌2017年には開催されず、去年は私は応募しなかったけど、実際のイベントは雨天延期を経ての雨天強行に。
宇宙ならぬ雨中・・・と泣いていた前回参加者、「mono-logue」のSAIKA先生無念のエントリーがこちら

そして、2019年。観測所のスタッフの熱意が実るときがやってきました。

イベント詳細:国立天文台野辺山観測所 第4回星空撮影会

のぽりん候補、3年ぶり2度目の当選。いざ、野辺山!
今回はSAIKA先生と、雨に泣かされたコンビでWリベンジ当選。全国から応募があった中の30人なのに、知り合いがいるってこんなに心強いことはない。
なんの打合せもしてなかったけど、当日もランチで立ち寄ったレストランでばったり。逸る気持ちは同じです。
(その後、もう一人現れることになろうとは・・・。衝撃の結末はCM数記事の後すぐ!)

 

これ以上ない晴天に恵まれた撮影会当日は身も心も熱かった

※EXIF情報付きの写真は、flickrにてオリジナルサイズを表示できます

国立天文台 野辺山 第4回星空撮影会

どうか晴れますように、とは祈ってたけど、だれもここまで暑くなれとは言ってない。
高原?避暑地?夜は氷点下? お昼前にはとっくに30度越えし、ロケハンで熱中症になりかけたわよ、危ないものー。

それでもそれ以上に夜の撮影に向けてテンションはあがる一方。
昼間のうちに画角決めだけじゃなく、夜間撮影時は一般見学者が立入禁止になっているエリアに行けるので、ロープやフェンスなどの障害物の位置も把握しないとならず、汗だくになりながら広い敷地を早歩きしてました。

暗闇になるとロープも見えないし、線路の中を歩くにも枕木に足取られないようにしないと身の危険が、というよりカメラの危険が迫るから必死です。

国立天文台 野辺山 第4回星空撮影会

ここが満天の星空に変わるのかぁ・・早く見たいなぁ。
横のラインはびしっとまっすぐ、縦のラインも絶妙に奥へ伸びる、このポイントにあとで三脚を置きにこよう。

国立天文台 野辺山 第4回星空撮影会

星を背負った巨大望遠鏡、絵になるだろうなぁ。ちょっと遠いけど、絶対ここにも撮りにこよう。
時間もたっぷりあるんだから、きっと大丈夫。

国立天文台 野辺山 第4回星空撮影会

ちょうどこの山の向こうに日が沈むから、ここにタイムラプス用に借りたRX100M4を設置しよう。
早くご飯を食べて、場所取りも頑張ろう。

国立天文台 野辺山 第4回星空撮影会
観測所向かいの南牧村文化施設農村文化情報交流館屋上から、天文台の敷地を見渡して作戦タイム。

左下にある守衛所から奥のエリアほとんど(事務棟・研究施設内以外)が撮影可能。
写真右にもまだ広がっているので、敷地はかなり広いです。
この中に30人ならそんなに場所取り合うこともなく、6時間一本勝負をのびのびとやってやりますか!
1時間~2時間おきにスポットを変えて、5~6パターン位撮れるといいなぁ。

ちなみにこの屋上は普段から一般開放されているので、撮影会に参加できない人も同じような写真が撮れるとか撮れないとか。
撮りに来た人がいるとか、いないとか。

とりあえず脳内プランをまとめながら、いったん観測所を後にして近くのホテルにチェックイン、からの再入場。
気持ちと装備を戦闘モードにかえていざ出陣です。

 

波乱の予感しかしない?怒涛の星空撮影会ドキュメント

16:30
一般見学者が帰るのと入れ替わりに参加者が集合、撮影オリエンテーションと、星景写真家で長野高専教授の大西浩次さんによる天体講演会に参加。
その間にどんどん日も傾き、みんなそわそわし始めます。

立入禁止だったフェンスも開きました。
普通なら越えられないロープも自由に越え、線路も歩き放題とのこと。
少しの背徳感と大いなる優越感。

※これ以降の写真は、通常は立入禁止エリアです。今回特別に撮影許可をいただいております。

18:00
参加者は天文台構内の職員駐車場へ車を移動(衝突防止装置などに使われているミリ波レーダー搭載車以外)。
ここから先は撮影終了まで外出禁止。持参した食料を適当な時間に適当に食べるシステム。

再入場不可だけど、撮影の気が済んだら好きなタイミングで帰宅は可能です。
ただ山奥の人里からちょっと離れた場所で24時現地解散は、女性にとっては(男性もか)かなり乱暴なイベントだよね(笑)。

よほど星撮影および車移動に慣れてる人に限られるので、女性はあまりいないのかと思いきや、予想以上にチラホラ。
単独というよりはカップルや夫婦、知り合い同士で参加できてたみたい。応募は一人ずつだから、どう書けば同時当選できるのかが謎。

私は、整然と並ぶお気に入りのヘリオグラフの至近距離へ。いやぁ、ごちそうさまです。
巨大なパラボラより、もののけ姫のこだまのようにちっこい白いヤツが並ぶ様ってかわいくないですか!
メインディッシュは星バックのアンテナ群なんで、三脚の角度と低さがほかの参加者と明らかに違うけど気にしない。

昼間に星空メインで考えていた画角(フェンス外からのヘリオグラフの横ラインと45m電波望遠鏡)より、結局やっぱ寄るよねぇ(夜だけにねぇ)。

そしてあたりは急速に暗くなっていきます。
タイムラプスを仕掛けて日没を撮らなきゃと線路へ急ぐ。

まだ人が来ていない線路で画角を決めてほっとしたのもつかの間、どんどん周囲にカメラは集まり始め、この時点で確認できるタイムラプス設置は6台。
据え置きだから、人が映らないからいいかと思いきや、もっとアンテナに近づく場所で有人撮影も始まった。
慌てて少しカメラを上向きに修正。あまり最初にカメラを設置するのも良し悪しだったかな。

やっぱり絵になるスポットには人が集まる。でも、人が映りこむのもお互い様だ。
それが嫌な人はこういうイベントより、単独で山に入った方が絶対にいい。
みんな思いは同じなので、できるだけ邪魔にならず、暗くなった時の照明にも気を使いながら、撮影を進めなければ。

19:15
いよいよ日没。タイムラプス撮影も順調にまわり始めたし、夜は長いので、ちょっと控室で夕食。
SAIKA先生も合流・・・って屋内で食べてたのは二人だけだった。
他の参加者との熱量の違い(笑)。
いや、だって、暗くならないと星空にならないし、さ。(それがいけなかったんだけど・・・

19:45

気が付いた時はもう遅かった。
暗いなんてもんじゃない。ライトをつけないと数メートル先の足元はもう見えない。
さっき確認しておいたはずのスポットに行ける自信がない。
中で休憩せず、明るいうちにスタンバイしておかなくては意味がなかったのだ!
だからみんな外にいたのかー(涙

目が慣れてくれば周囲の位置関係はわかるけど、草むらとアスファルトの境がわからず、もう少しで三脚ごとカメラを倒すところだった。
自損ならまだしも、他の参加者の機材に当たってしまわないように細心の注意を払いながら移動し、ようやく撮影スタート。(遅っ

 

そして、深呼吸をしながら空を見上げれば、もうそこには・・・・。
気合を入れなおして、私は夢中でシャッターを切り始めた。(続く)

次の記事:そこに星とアンテナがある限り!国立天文台野辺山観測所 第4回星空撮影会Day&Nightレポ(2)

国立天文台 野辺山 第4回星空撮影会