突然だが、私は重度の源クラ(星野源ファンの通称)である。

普通の人には普通の日々でも、源クラにとって今週は非常に忙しい。
そして非常にエモい一週間だった。

NHK 朝ドラ「半分、青い」の主題歌『アイデア』の配信リリース、同曲のMV解禁、NHKの音楽番組「おげんさんといっしょ」第二弾放送、その裏側を語るラジオ「オールナイトニッポン」、そして今朝の「あさイチ」トーク出演、他にも雑誌・新聞・テレビは「星野源」「おげんさん」「アイデア」「快進撃」「新記録」「トレンド世界一位」などの関連ワードにあふれかえっている。

忙しい。そして眠い。それは、別に曲や番組録画を鬼リピしてるからではな・・・、いや十分してるけど、それだけではなくて、件の新曲「アイデア」には心がどこか遠くに引っ張られすぎて、戻すのに非常にパワーがいるからだ。
主題歌となっている朝ドラは週6話。テレビサイズの「アイデア」(90秒または70秒)は6回かかる。

耳タコどころの騒ぎではない。

最終回まであと1か月と迫ってきた8月20日、待ちわびた「アイデア」のフルver.のリリース。午前0時に配信された曲をスマホに転送し、出勤途中のバスで初視聴した。

耳タコの「おはよう!世の中!」で始まる1番が終わり、まぁ今度はどんな歌詞が・・・とぼーっと外を眺めてたら、なんだこれは。
何をした、星野源。
「おはよう、真夜中」から始める2番はまるで別物だった。

後にラジオやテレビで本人からコンセプトを熱く語っているが、ざっくり言うと、破竹の快進撃を遂げた近年の光を謳った『これまでの自分』(1番)と、鬱屈とした闇を抱えながらももがき「ただ生きる(そういう歌詞がある)」『これからの自分』(2番以降)。

音楽的分析は本格レビュー陣にお任せするとして、興味があれば聴いてほしいし読んでほしい。
まぁ、一番わかりやすいのは、現在340万回再生を突破した「アイデア」のMVだ。

これまでのMVは、ふわふわニコニコと踊る彼を「くっそ星源、可愛いすぎかよっ」と平和に盲目的に見ていられたものが、「アイデア」は直感的に視覚的にいろんな意味でやられた。

MVで1番から2番に移る時の光と影のコントラストがそれは強烈で、暗闇で「半分、黒い」源さんが逆光の中歩いて進み、やがてまた1番以上のテンションに戻り締めくくるラスト。

光を浴びる自分も、闇にうずくまる自分もひっくるめて未来へ運ぶ。
明るいかどうかはわからないけど、とにかく前へ。

彼はラジオで言っていた。
「2017年はすごく落ち込みふさぎ込んでいて、無理をしないをモットーにしてたけど、それじゃだめだ。休む時は休むけど、やるときはやる。能動的になろう。そう思ったらこの曲が完成した。」

出る杭は打たれるのかもしれない。けど、打たれて、へこんで、だけどまた打たれてもちょっとやそっとじゃ折れない太い杭を空に突きつける彼。

私もそういえば近頃、疲れたことを言い訳に前を見ようとしなかったけど、「やれればやる」じゃなくて、「やるときはやる」にならなきゃダメだなと。この曲を鬼リピしながらちょっとだけ、ほんの少しだけ前へ進んでみようと思った。

おりしも、今年は個人的に色んな意味で節目の年。

そもそも私は、打たれるまで何かをやってみようと思ったことがあるだろうか?

とりあえず、面倒くさがりの筆不精が会社帰りに、夜風に吹かれながらこんな衝動を書きなぐってみようと思う位は、背中を押してくれた一曲「アイデア」。是非一聴を。

星野源が『ANN』で語った、新曲“アイデア”はいかにして生まれたのか
https://rockinon.com/news/detail/179517