今年も例によって例のごとく、カメラと映像の祭典「CP+2018」(パシフィコ横浜)が開催され、私も初日と3日目に参加してきました。
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CP+といえば、毎年この直前に各メーカーが新機種発表日を合わせ、満を持して会場で派手なプレゼンテーションやタッチ&トライを実施、それをいち早く体験したいカメラファンが朝から行列をなして押し寄せる大イベントです。
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まだまだ男性多数のカメラユーザーの中、ここ数年女性やファミリー層にターゲットにしたイベント、ワークショップも増え、ポスターも可愛い系にふられているのに、あまり人口が増えてない気がするのはなぜなのか。果たしてその方向性は当のターゲットにささっているのか、今回はあえて女子的モチベーションがあがるものを探す旅をしてみました。

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っていうか、私も「一応」女子なので、自分がどんなものに本能のアンテナが反応するかなぁということです。

女子のカメラ選びは「軽い」「明るい」「可愛い」

女性だからといって、やたら「可愛い」だけしか言わず、カメラスペックは二の次では決してなく、専門用語に苦手意識があるだけ。
コンデジを駆逐するスペックのスマホを持ちながらカメラも買おうとする人は、頭に思い描く撮影イメージがちゃんとあります。

測距エリア拡大だ、高精細なCMOSセンサーだ、AF/AE追随高速連写だと言われて全くピンと来なくても、縦横無尽に動き回る子供やペットにびしっとピントがあって、色鮮やかな料理やアクセサリーの細かいグラデーションがキレイに明るく撮れて、ついでに夜景でも手振れがなければ最高なわけで、それを実現できるカメラを「本能」で探すのです(笑)。

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好調だけどいまいち女性ユーザーをつかみ切れてなかったミラーレス「Canon EOS M」に、永遠のママカメラ「 EOS kiss」の冠が合体した「EOS KissM」(3月23日発売)。

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Canon EOS KissM(サンプル機)で撮影

軽くて小さくて、荷物満載の女性のバッグに入りますよーというコンセプトより、「ごついカメラとか、長くて白いレンズとかなくても、腕があればこれで全然撮れるんだよ。何をしらーっとMK3だかMK4だかに買い換えようとしてんの?外見でバレないと思ってるのアナタだけだかんね!」というパパへのメッセージ込みで女性が買う気がするのは私だけですか、そうですか。

 

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スペック上等の最強フルサイズミラーレス、SONY「α7 III」(3月23日発売)。

はい、欲しいです。
理由は「軽くてきれいだから」です。
持ち歩きたいんです、カメラ。でも一眼レフは重いんです。でも、キレイな画質がいいんです。

カメラの画質を決める「センサー」のサイズが最強な(中判除く)フルサイズカメラで、コンパクトなミラーレスは、他のメーカーも早く追随すると思っていたのに、まだソニーα7シリーズだけ。

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ベーシックモデルながら最強スペックとなったα7 IIIはCP+の目玉で連日数十分待ちの大行列に。

テレビや雑誌で取り上げられるインスタグラマーのα7の使用率がめちゃ高いです。
画質&フットワークを両立できるカメラは必須なんですね。DSC_1339

瞳を検出してオートフォーカスする「瞳AF」は横向きでも俯きがちでもビタっと合い、動き回っても追い続けるので、10コマ連写で躍動感ばっちりな写真が取れてびっくりしました。
子供やペットは瞳で殺しますからね。撮れる写真に萌え死ぬと思いますよ。

 

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カメラ女子の代名詞、OLYMPUS。女子限定ノベルティがあったのも、主要メーカーの中ではココだけだった気がする。ブースの女子率は半端なかったです。

PENは持っただけでもう可愛いし、宮崎あおいになれるし(←なれません)、クールでシックなOM-Dは男性ユーザーにも人気ですが、レトロなギミックのボディなのにファンシーなアートフィルターを使う、「それがおしゃれ!」な女子は多いのです。

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「OLYMPUS PEN E-PL9」(3月9日発売)は液晶が180度下を向くセルフィー対応や、Bluetoothスマホ転送で、よりSNS向き機能が充実してます。
赤みがかったレトロな色調がちょっとチェキっぽい新アートフィルター「ネオノスタルジー」があるのはこの機種だけ。

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アートフィルターと言えば、私の大好物は青みがかってメタリックな「ブリーチバイパス」。
ゆるふわとは真逆で女子じゃないよなぁ・・と触っていたら、「このブリーチバイパス、私が開発したんです!」という女性のブーススタッフに救われました。

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OM-D E-M10 Mark III で撮影(フィルター:ブリーチバイパス1)

一緒に液晶を見ながら「たまりませんねぇ、この感じ(*´Д`)ハァハァ」「あ、写しどころわかってるー!」「ですよねー」と思い切り盛り上がって、あぁ、こういう女子でもいいんだなと思った次第。

展示は「イケア方式」だと見やすいのに・・・

CP+は広大なパシフィコ横浜を、目当てのブース巡りに1日ぐるんぐるんするとめっちゃ疲れます。
それでも見ているブースは全展示の半分以下。女子が好きそうなものあるかなぁとのぞいてみても、有名メーカー以外は知らない会社のブースに行くのも怖く、何が置いてあるかもわからず、通り過ぎるだけ。

実はそんな小さいブースにもおしゃれなものがあって、友人のSNSで知って「どこにあったのそれー!」と後悔することが多いのです。

漠然と「なんか可愛いものないかな」とか「テーブルフォトに便利なカメラや道具は何が必要なのかな?」とか、メーカーブースだけじゃなくて目的別のショールームがあってもいいのになぁと毎年思います。

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使っても置いてもおしゃれなLomographyのインスタントカメラ

大型家具店「IKEA」のショールームは、子供部屋、キッチン、リビング、寝室などシチュエーション別や部屋の大きさ別にコーディネート例を展示していて、使用情景が思い浮かべやすく、そこに展示していあるものが気に入れば、その売り場にいって詳細を調べます。

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撮った写真の楽しい活用法を提案してくれるアスカネットブース

自分の嗜好だけでは偏った情報しかインプットできないけど、そういう提案型エリアがあれば知らなかったメーカーやアイテムや思いもよらなかった使用法がわかるし、同じレベルの機種が並べば比較もできて、実際のブースにも目的をもって行きやすくなるのにな。

これは男女問わず、写真の楽しみ方が多種多様になっているからこそ、本当に好きになれるものを見つけられれば、長く深く写真を好きになって、個々のこだわりにささったメーカーのファンができる(ユーザー層が広がる)ような気がします。

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スタイリッシュなファッション性とカメラの効率的な収納性を兼ね備えたマンフロットのWinsorシリーズバッグ。

今年のCP+2018で見つけた素敵アイテム

そんな今年のCP+も今日で閉幕。

ちょっと意識的に女性が興味を示す(レベル問わず)展示を見て回ってみたものの、結局メーカーサイドの匙加減であり、イベント全体の方向性はあいまいなままに感じました。
女性に媚びろということじゃなくて、このスマホカメラの普及で「一億総写真ユーザー」世代の中、インスタグラムなどのSNS写真ブームをけん引するのはやはり女性なわけで、スマホと敵対するのではなく、カメラとの親和性をもっとわかりやすく提示してくれる何かがあったらおもしろかったのになと思いました。

ちなみに私が今年一番気になったアイテムは、OLYMPUSブースで出会いました。
OLYMPUS全体でフィーチャーされていて、展示カメラの多くやコンパニオンまでつけている、「SAKURAカメラスリング」。

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CP+全体でも、見渡せばなんと多くのカメラユーザーやフォトグラファーが身に着けていたことか!
こんな浸透しているのに、知らなかった私はやっぱり女子じゃなかったのか((((;゚Д゚))))・?

一緒に見に行ったクマデジさん談:「家電女子を女子らしく」するアイテムらしいですよ・・・。

女子なのに(笑)!!

そんな素敵なアイテムを生み出したSakura Sling project代表の杉山さくらさんともご挨拶して、すっかりさくらさんもカメラスリングもファンになってしまったわけですが、その話はまた次の機会に。