今年も渋谷ヒカリエで始まった東京カメラ部2017写真展
フォロワー数43万人を突破した巨大Facebookコミュニティー「東京カメラ部」の影響力はとどまることを知らず、GWにきっちり会期を合わせて、さらに注目と来場者数を増やしています。

東京カメラ部2017写真展とは?
2016年に東京カメラ部とその分室で総計約190万作品の中から選んだ10作品「10選2016」を中心に新作、自信作を追加。更に2012年、2013年、2014年、2015年に選ばれた10選メンバーを加えた、10選5世代による合同展示。その他東京カメラ部主催のフォトコンテスト入賞作品も含め、約1200作品が展示されている。(東京カメラ部2017写真展公式サイトより引用)

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一般公開前日に行われたレセプションでの10選表彰式。選ばれた作品のプリントプレートが授与された。

Web上で評価された写真をプリントで見る意義

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私は2012年の第一回から毎年会場で作品を見させてもらってますが、Facebook上で投稿された時に感じたイメージが、会場へ行くといつも覆されます。

Facebook上で見えるサムネイルはパソコンですら10cm程度、スマホにいたってはその半分程度のサイズ。詳細画面で拡大してもその倍と、画面でのイメージはかなり限定的です。

私も投稿した時によくジレンマを感じるのですが、写真現像時にPC全画面でさらに拡大して微調整して仕上げた物も、サムネイルではこだわった箇所が分からない。

拡大してみてもらえばわかるのに・・・と思っても、一日数千枚流れるタイムライン上では、よほど目立った作品でもないと開いてもくれず、つい彩度を上げたり、派手なHDRとか、「いいね!」狙いの小手先レタッチに手を染めたくなることも・・。
でも本当に写真力がある作品は、どんな色でもどんな暗さでも二度見してしまうから、結局はそんなの関係ない(と思いたい)けどね。

その星のように流れていく天文学的枚数から選ばれた作品を、写真展でプリントで見ると、その時の感動がよみがえるというよりは、見えてなかったものが見えてきたり、最初は気にも留めなかった片隅の小物や影が妙に気になったり・・・、表面上のキレイさではない、作品が持つ背景まで見えてきそうで、やっぱり私はプリントを見るのが好きです。

実際には、印刷技術や作品と紙との相性もあって、全部が全部プリントで見る方がいいとは思いませんが、Web上にはWeb上ならではの見せ方が、プリントはプリントの良さがあるので、この「東京カメラ部写真展」は、両方の表現を比較できる珍しい写真展だと思っています。

人生を変えるほどの写真と出会う確率

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レセプションの運営代表挨拶では、この写真展の5年間の歴史の中で、人生が変わった人たちの話がありました。

10選に選出されたことで、会社を辞めて写真で生きていく道を選んだ人。
世界の名だたるフォトコンテストで入賞し、高い評価を得た人。
10選写真展を見て、写真を始めようと思い、その結果今年のコンテスト入賞で展示がかなった人。

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今年の写真展では1200点もの作品展示があるということは、応募に漏れたその何百倍の人を含めて、この5年間のどこかで東京カメラ部に触れ、何かを感じた人たちがこんなに増えてきたということですよね。

「人生が変わる」ということは少し大げさな言葉に聞こえますが、職業が変わらなくても、カメラを買い変えなくても、何か一つアクションを起こす、そのことが次の一歩を決めるきっかけになるのかもしれません。

私もこの5年間で、好きな写真家が増えました。
楽しい写真仲間も、仲間と過ごして癒される時間も増えました。
撮る写真も少しずつ変わって来たのを見ると、これはこれで人生変わってきたのかな。

実際、そんなもんでいいんです。いいんです。

 

初の公式写真集も会場限定装丁を発売中

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今年の写真展では、10選の展示作品の抜粋と「日本の47枚」フォトコンテスト(アサヒカメラ×東京カメラ部共催)の入賞作品が収録された公式写真集が発売されています。
すでに、Amazon等で一般発売もされていますが、写真展会場では表紙装丁が違う会場限定バージョンが買えます。

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会期中とても混雑して、作品を一つ一つゆっくり見ている暇がないと思ったので、早速購入してみました。とてもコンパクトなので、机の上に置いて、ふとした時にお気に入りのページを開いたりするのが、最近の癒しになっています。

会場のヒカリエは、都会の大動脈の中心・渋谷駅直結の商業施設。

ここで足を止めるのか、9Fにまであがる気になるのか、そして写真を見た時、果たして・・
まさにそこから人生が変わるのかどうかのターミナルなのかもしれません。

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東京カメラ部2017写真展
2017/4/28(金)~2017/5/6(土)
午前11時~午後8時
渋谷ヒカリエ9F・ヒカリエホール ホールB
入場無料

☆作品展示だけでなく、著名写真家や10選フォトグラファーによるトークショーも
毎日開催されています。詳しくは公式サイト参照
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⇒東京カメラ部2017写真展公式サイト
⇒過去の東京カメラ部写真展レポート