前の記事:冬の名物「ダイヤモンド富士&富士の星空」撮影ツアー参加レポ(1)ダイヤモンド富士編
夕食後30分ほどで身支度をし、いよいよ恐怖の星空撮影に出発。
何が恐怖って、予想気温マイナス15度と言われ、出発前から散々みんなから、「雪山なめんな」とか、「オーロラ撮りに行く位の装備で」とか、「生きて帰ってきてくださいね」とか、「トイレできないから絞りだしてから行けよ!」とかとか、脅かされていた極寒環境。
ただ予想と違ったのは、当初の撮影スケジュールは午前1時から4時だったのが、午後8時スタートに大幅繰り上がったこと。これはかなり気温がマシなはず。
今回、ツアーに同行・機材提供してくださった天体望遠鏡や双眼鏡メーカー Vixen の神スタッフが刻々と変わる雲の流れをずっと調べていてくれて、夕方の段階では「午前0時がいいかも」と言っていたのが、夕食前には「いや、食後すぐ出ましょう!8時からがいい感じです!」とか一瞬でも星が見える可能性が高い時間帯を指定してくれたのです。
それでも!出発したら途端に雪ですよ。
あ、あれ・・Σ(; ゚Д゚)?
一同落胆、茫然自失。
「ま、まぁ、あれですよ。せっかくここまで防寒対策したんだから、高台からの湖畔の夜景でもキレイに撮りましょうよ、ねっ!・・・ねっ!」ということで、自分を納得させてパノラマ台へと降り立ちました。
一番心配していたトイレ問題は、一発で解決。月に負けじと闇夜に輝く展望台のトイレがちゃんとありました。(TOP写真)
湖畔の夜景はキレイです。えぇ。これもなかなか見れませんからね。
でも、遠いネオンにはピントがなかなか合わないし、ISO感度や露出、絞りなどの設定もどうすればいいのか右往左往。
Vixenさんが用意してくれた「A80M鏡筒+ポルタⅡ経緯台」にカメラをつけて月の写真を撮らせてもらったり、RICOHさんが用意してくれたGPSユニット「O-GPS1」をお借りして、星を撮る準備だけはしてみたり・・・。
しばらく空を見ていない時間が過ぎていった後、ふと空を見上げると、そこには!
二度目の奇跡!星空撮影スタート
あんなに降っていた雪もいつしか止み、空を厚く覆っていた雲も流れ、ダイヤモンド富士に続いて2度目の奇跡です。
いつの間にか星が出ていました。 Vixen予報、グッジョブ!!
慌てて、PENTAX K-3に「O-GPS1」をセッティング。
この「O-GPS1」はGPSとカメラの手ブレ補正機能と連動して星を簡易追尾するアストロレーサーという機能があり、「初心者でも簡単に星が撮れますよー」と気軽に借りたんですが、慣れない器具の装着や方位情報を覚え込ませるキャリブレーションがうまくできず、これまた四苦八苦。明るいホテルロビーでやっておけばよかった・・。
通常、暗い所で星やネオンを撮るにはシャッターを長時間開いて光を集めるんですが、地球は自転しているので、長時間露光すると星が線を描きますよね。それを流れず点として止めるのに使うのが「O-GPS1」です。便利な世の中だ…。
しかし、星と言うのは遠すぎて暗すぎてオートフォーカスが効かないため、マニュアルでピント合わせが必要。ライブビューでも殆ど見えません。何とか一番明るい星を探しに探して、ピントをいじり、シャッターを切り、再生してはまた調整・・・。
もう隔靴掻痒の極みです。
それでも格闘すること1時間。こんな感じで、どうでしょう!
月もなく、もっと晴れていたら、まさに満点の星空だったんでしょうが、それでもこれだけ見えれば寒さに耐えて待ったかいがありました!もうちょっと長い時間の露光だともっとはっきり写ったかな。機材の操作にいっぱいいっぱいで、露光時間のリトライまで追いつきませんでした。次回への課題ですね。
夜空に浮かぶ富士山
雲は絶え間なく流れ、星も見えたり見えなかったりと、さすがに山の天気はころころと変わっていきましたが、もうそろそろ帰る時間かと思われたその時、3度目の奇跡が。
富士山が見えてきました。
昼間も散々「ホントにこんなに近くに来たのに、どうして見えんかねぇ」とぼやきまくってても、夜はしゃーないわなぁとあきらめていたのが、あっさり現れました(笑)。
どや、これが見たかったんやろぉ?的な。
富士山周辺、サービス精神旺盛であります。
昼間の富士山も雄大で迫力がありますが、夜空に浮かび上がるような富士山も幻想的でステキでした。
広角15mmのレンズしかお借りしなかったので、ズーム代わりにトリミングして少し白を強調してみました。
引きの画では見えなかったけど、星もちゃんと写ってたんですね♪
気が付けばあっという間の3時間。寒さでダウンした人のために、バスはずっと暖房を入れて待避所にしてくれていましたが、結局トイレも行かず、バスにも行かず、差し入れのポカリも飲まず、撮影に熱中してしまいました。
あんなに恐れていた寒さですが、時間も早まったし、自分でもかなりの防寒対策をしていったので、意外にあっさりクリア。あとから聞いたらこの夜の気温はマイナス8度だったそうです。それでも結構な低温だったけどどんな準備で乗り切ったのかは、また別の話で。
これで、とりあえずツアーの目的はすべて果たせました!
あらためて、 Vixen予報、グッジョブ!!
このパノラマ台の写真は、準備練習不足がたたって殆どがピンボケか、どうにも現像補正も効かない失敗写真ばかりだったけど、この夜の景色はこの夜にしか撮れないもの。失敗写真もいい思い出です。
せめて、暗い中でもライトつけずに指の感覚だけでボタンが操作できるようにカメラになじんでから来ると、その余裕分もうちょっと構図や設定に気を回せるかもしれません。次の課題ですね。
そして夜が明ける・・・まさかの第三ラウンド突入へ
無事撮影を終えて、ホテルに着いたのが11時半過ぎ。お疲れ様でしたー!後は寝て帰るだけ・・じゃすまないのが、このサバイバルツアー。
「夜明けの富士を撮りたい人はホテル前に午前4時集合でー。」としらっとスタッフ。
ですよね・・・(-_-)。
こうなったら毒を食らわば皿まで。合言葉は「せっかくだから」
十二単ばりの防寒着を脱ぎ捨てて速攻布団に入り、3時間の仮眠を取って、意気揚々とロビーに降りてってみると・・、
「ほぼほぼスタッフやーーん・・・━(ll゚д゚ll)━!!」
どうした、みんな・・。ま、いいか。出かけようか・・と外へ出たら・・
「寒っ! さっきより全然寒っっ!((´д`)) マジムリ」
夜の星空撮影時にもやらなかった防寒装填120%で、 出直しました。
それでも、そのかいあって未明の星空はまた格別。
キレイなのになぁ・・・。みんな起きて来ないかなぁ。
そして5時も過ぎた頃、急にわらわらと他の参加者も合流。「だって、日の出6時半でしょ?」
夜明けの富士は次へ続く。
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