わが家にはギター小僧が一人いますが、賃貸マンションでは気軽に音を出せず、ギターを抱えてうろうろしては、たまにぽろぽろ爪弾く程度。
どんなにそっと弾いても結構音が響いちゃいますからね。
指慣らしだけならともかく、音色の研究やアドリブフレーズを考えたり、好きな楽曲に合わせて弾いてみたりしたいだろうに、音楽好きにとっては現代の住宅事情はたえず欲求不満状態になりがちです。
それを少しでも解消できるかもしれないグッズをモニターとしていただいたので、ウチの小僧様に早速使ってもらいました。
アメリカの音楽トイメーカー・ZIVIXの 「jamstik+(ジャムスティックプラス)」 。
jamstik+ はスマホやタブレット、PCの専用アプリと連携して、ギター演奏を楽しめるワイヤレスデジタルギターです。
ネックのセンサーで指の配置を検出し、ビブラートやチョーキングなどギター独特の奏法も対応(モード設定変更あり)、多彩な演奏が再現できます。
ボディもわずか5フレットのネックですが、本体の設定を変えることで5オクターブの音域に対応しています。チューニングも数種類のパターンから演奏スタイルに合わせて変えるだけで、弦が緩んで音程が狂うこともありません。
jamstik+ ファーストインプレッション
全長40cm、重さ709gのボディはとても軽くてワイヤレスなので、どこにでも無理なく持ち運べて、テレビを見ながら、寝ころびながら、「思いついたらすぐギター」的練習ができそうです。
どんな楽器でも、習い始めはとにかく多くの時間楽器に触れて、イメージする音を鳴らすのに無意識に指が動くまで体になじませることが重要なので、常にそばに置いておくと上達が早いかもしれません。
ただ外出時に持ち出そうとすると、重さはともかく意外に長さは気になるもので、大きめのバックパックじゃないと荷物には入らないかも。カメラマンでいうと、軽量サイズのコンパクト三脚を持ち運ぶようなイメージ?
jamstik+ は、楽器のようで楽器じゃない
jamstik+ 単体ではギター音を出すことはできず、弦を弾いても「ペキペキ」とはじかれる音しかしません。
本来のギターならフレットを指で押さえれば音階がつくのに、ペキペキ音は一定のまま。楽器物理の法則に逆らってるようで(←大げさ)なんか変な感じですが、電源ONして、アプリと連携して、初めてjamstik+は楽器となるのです。
いくら一生懸命タッチタイピングしても、パソコンとつながないと文字が表示されないキーボードと同じですね。
音は連携させるデバイス(スマホ、タブレットなど)で音量調整するので、ヘッドホンをつければ夜でも騒音の心配なく練習ができます。
※すぐ近くにいる人には「ペキペキ」音は聞こえるので迷惑にならないように配慮は必要。
【使用例 その1】レッスンアプリでギター練習
ギター初心者なら、まずは運指やコードを覚える練習用アプリ「jamTutor」からスタート。
画面のガイドを見ながら指示通りのフレットを押さえて、弾き方を覚えます。
自分の指の位置はセンサーで検知されるので、正しい弾き方をしているかどうかはリアルタイムで確認可能。
体系的なレッスンカリキュラムが組まれ、進捗状況も管理されるので、目標を達成するモチベーション維持にもつながります。
【動画:jamstik+レッスンアプリ「jamtutor」でギターゲーム 】(2分00秒)
運指が身についてきたら、「Arcade(アーケード)」モードでギターゲームにもチャレンジ。
ゲームセンターの音ゲーのように、好きなジャンルの音楽を選んで、合奏気分を味わえます。
正直このプログラムが終われば、すぐにギターが弾けるようになるというわけではなく、
最終的には本物のギターを構えた時の姿勢やギターの重さなどで手の位置や感覚を調整する必要もあります。
それでも、ギター上級者への険しく長い長い道のりの中で、コード名とその運指、基本テクニックの種類を叩き込む課程を、こういう視覚的なアプリとコンパクトで軽いjamstik+のペアでなら、効率的かつ上達への近道になるんじゃないでしょうか。
【使用例 その2】サウンドカスタマイズで自由演奏
ギター経験者なら、最初から設定アプリ「jamstik+」に直接連携させて、好みのサウンドやギターの種類、チューニング、演奏モードなどをカスタマイズして、自由なギター演奏を楽しめます。
弦をつま弾くだけでなく、叩いて音を出すタップモードや、弦を持ち上げて音を変えるチョーキングなども、モード変更で対応しています。
ただ、本物のギターよりも弦のテンション(張り)が強く、チョーキングやビブラートは微妙にしかできないのが残念。
ギターテクニックのすべてが再現できるわけではないので、その辺は指慣らしの手段として割り切るしかないでしょう。
【使用例 その3】ギター型MIDIコントローラーとしてDTM入力
jamstik+とMIDIアプリと連携させると、ギター型のMIDIコントローラーとしてフレーズを打ち込むことができます。
DTM(DeskTopMusic)で楽曲を制作するには、楽器パートごとのチャンネルに、ピッチやリズム・拍数、音階などをデータとして入力するのですが、より直感的にフレーズを作るには、実際の楽器で演奏するのがスピーディー。
通常はMIDI対応の鍵盤キーボードをつなぐのが一般的ですが、jamstik+なら特にギターパートには断然有利。
ギター独特の細かいニュアンスも出せるし、ギタリストが鍵盤でフレーズを弾けと言われても無理がありますしね(笑)。
【jamstik+ with garageband 【MIDIコントローラーとしての使用例】 】(1分47秒)
もちろんjamstik+はギターだけでなく、ストリングス、シンセサイザー・ドラムなどアプリが対応する音源を鳴らすこともできるので、全パートをjamstik+一本で演奏して、バンドの楽曲を仕上げられます。
jamstik+ がギター挫折者と音楽の未来を救う? 感想とまとめ
実は私は小学校のころギタークラブに所属していたものの、Fコードが押さえられなくて挫折(←鉄板理由)。でも、ギター弾き語りの曲とかずっと大好きで、「ギター習って自分で熱唱したい」願望がワールドカップ周期で巡ってきます。(まさに今年も!)
そのたびに手元にギターがない(実際にはギター小僧のがあるけど出すのも億劫)のを口実に邪念を掻き消していたけれど、jamstik+ならまるで孫の手をつかむように、「とりあえず手持ち無沙汰だから」位の気軽さで手にできるんじゃないかな。
もちろん実際のギターは必要です。
でも楽器に慣れるきっかけとしてjamstik+はとても有効なアイテムだと思いました。
願わくば、弦のテンションや硬さが本物に近づいて、弾き心地がスムーズになれば、より初心者に優しいかなと。
jamstik+なら・・・
騒音を気にせず集中練習できるデバイス。
結果にコミットしたくなるドSレッスンアプリ。
音楽の幅を無限に広げられるMIDIとの連携。
これからギターを始める人もギターをとっくに挫折した人も、家族に「そんな何本もギターがあったって、手は2本でしょ!」と罵倒されてる人も、心から音楽を楽しめるそんな未来が待っている気がします。