BenQモニターのモニター第4弾。
前回のEW277HDR に続き、先日日本発売が発表された新4Kカラーマネジメントディスプレイ「SW271」(2017年12月21日発売)も先行試用させていただきました。
BenQのカラーマネジメントディスプレイは、昨年SW2700PTのモニターで初体験し、写真愛好家にとって、色の再現性は何よりも代え難い正義なのだ!と衝撃を受けました。
あれ以来早くディスプレイを変えたくてコツコツ貯金していたのですが、さぁそろそろ・・・と思った今、またグレードアップ機種が出現してしまい、今度も後頭部フルスイングでかち割られそうです。
時代は常に動いているのですね。
4K カラーマネジメントディスプレイ SW271 の概要
SW271 は27インチ、アスペクト比16:9のワイドディスプレイ。
先行機種SW2700PTとの違いは主に以下の通り。
・4K(3840x 2160)解像度
・HDRコンテンツ対応
・遮光フードが縦・横両方対応(SW2700PTは横のみ)
・(ハードキャリブレーション時)USB Type-C ケーブル一本でデータとUSB信号を送信
その他外観としては、SW271の方がちょっと重いんですが、奥行きがスリム化され、若干デスクを広く使えるようになりました。
SW271の登場によりSW2700PTの出番はなくなるかというとそうでもありません。
SW271は先行機種の後継というより、4K動画編集や、より精細仕上げが求められるプロフェッショナルな作品作り用にとどまらず、映画やライブなどの4K/HDRコンテンツ視聴など、ニーズの増加によって産まれた別バージョンといえるでしょう。
4Kまでいらないならば、SW2700PTでも十分現役機種です。
自宅のPCとは見ていた世界がまるで違う!繊細な解像感とカラーモード
相変わらず使い続けている自宅PC VAIOデスクトップ(22インチ:写真左)と同じ画像を出して並べてみました。
まぁ、去年からわかっていたことですが、こんなに色が違っていたのかと・・・少々うんざり。
海の色も空の色もこんなに複雑で繊細なグラデーションだったのに、こういう画面で色調整したところで、どんどんドツボにハマるだけなんですよね。
マルチメディアPCを売りにしていた時代のPCは、やたらと輝度が高く、派手な発色で華やかに見えても、実はかなり白トビして色の階調も平坦であったことを痛感させられます。
自然で正確なカラーを再現するために作られたディスプレイ「SW271」はあらゆるシーンや用途のカラーモードに対応。
何で出力するか、データを何に使うのか、作業を進めていく上で試行錯誤しながら、モードの使い分けや切替をしていきます。
通常は、画面下部ボタンでメニュー選択するのですが、階層が深くて面倒くさいので、手元で操作できる「OSDコントローラー」からの選択が簡単。
初期値は「Adobe RGB」「モノクロ」などのカラー切替に設定されているので、瞬時に切り替えてイメージを模索するのとても便利です。その他ボタンカスタマイズは可能なので、HDRコンテンツをよく見るなら「HDR」に割り当てたり、PCとfireTVなどのネット動画端末など入力ソースの切替にしてもよさそうですね。
遮光フードは作業効率アップの必須アイテム
写真の微妙な色調整中に、眩しい日光や照明が液晶に当たって画面の色がボケたり見にくくなったりするのを防ぐのが遮光フード。一般的なカラーマネジメントディスプレイでは大概オプションですが、BenQではSW2700PTに続き標準装備されています。
昼間の窓際で作業中、遮光フードの有り/無しで比較してみました。
フードをつけないと日が差している部分(画面左部分)が少し白っぽく反射して正しい色が見えないのに対し、フードをつけると、色がはっきりとして、シャドウ部の濃淡も正しく判断できるので、現像時のストレスや作業時間の軽減にもつながります。
SW271は画面を90度回転して縦写真を確認する時にもフードがつけられるようになりました。
フードは外している時に邪魔にならないよう、バラバラに分解でき、縦横に応じてパーツを組み合わせます。
ちょっと組み立ては面倒ですが、一回慣れればすぐにはまるようになりました。
私は普通のネットサーフィンとか、写真現像をしていない時でも、余計な光に視界が邪魔されない分、目の疲れが全然違うので、横画面用フードでつけっぱなしにしています。
4Kディスプレイでの写真現像の凄まじい威力
なにはともあれ、実際に写真現像でSW271のありがたみを体感しなくては!
手ブレやピントずれが気になりやすい工場夜景は、拡大してコントラストや明瞭度を微調整するので、高解像度であればあるほど恩恵がわかりやすい素材でした。
フルHDと4K解像度ではここまではっきりとした違いが。
逆に言えば、少しでもピントが合ってないと容赦なくバレるということで、今まで「いいんじゃない?」と思ってた写真も次々にボツになる始末。今までは一枚薄い布をかぶって見ていたようなものなのか!
細かいパイプが入り乱れているコンビナートの写真はSW271に映し出すだけで、思わずニヤニヤしてしまうほど迫力が違います。
拡大すると、ドアの凹凸や階段の段数までわかります。これでフルサイズ一眼レフカメラの画像だったら、さらに物凄いところまで見えちゃうんでしょうね・・・。おぉぉ、カメラまで変えたくなるとは、これも一つの沼なのか。
楽しい!楽しすぎます。
ビジネス&エンターテイメント兼用で経費とスペースも節約
SW271の発売予想価格、ちょっとしたPCが買えそうなお値段になりそうですが、作業の費用対効果はもちろんのこと、映画やライブ・アニメ、ネット動画の4K/HDRコンテンツも一台で見られるなら、テレビとの2台併用するお金も置き場所も節約できますよね。一人暮らしの場合、机の上のスペース争いは特に熾烈ですから。
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※HDRコンテンツを視聴する場合は、付属のHDMIケーブルか、ハイスピードHDMIケーブルなど対応条件を満たすケーブルで接続する必要があります
※HDR視聴は、コンテンツそのものに依存し、一部のコンテンツには対応しない場合があります。
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SW271には内蔵スピーカーがないので、音声は別途スピーカー接続が必要ですが、それをクリアすればPCサイトでのオンデマンド視聴だけでなく、Amazon FireTVのようなセットボックスを直挿しで、PC作業との画面切り替えだけで両方楽しめます。HDRコンテンツも増える一方なので、先行投資には高すぎるとも言えないかも。
まとめ:色の再現は気持ちの再現。カラーマネジメントの重要性を再認識
4Kが必要な作品作りや動画制作とかしないし、SW271はまだ自分には分不相応のプロモデルかなと思いつつ、よく考えればすでに自分のスマホは4K動画も普通に撮れるし、今後はカメラでもスマホでも全機種4K標準装備が多くなってくるだろうし、もっと一般ユーザーが気軽に楽しめる時代はすぐそこまで来ているんだなと思いました。
(・・・ならば、近い将来もっと気軽に楽しめる価格になってくれることを切に願いますが)
今度の買い替えでSW271に手が届くかはまだ微妙ですが、それよりも何よりも、写真を続けるなら、改めてカラーマネジメントディスプレイの重要性と必然性をまたまた思い知らされた体験でした。
レンズよりも、カメラよりも、まずはディスプレイだと。
★SW271商品詳細ページ
BenQ 27型 4KカラーマネジメントディスプレイSW271 | BenQ Japan (2017年12月21日発売)
http://www.benq.co.jp/product/monitor/sw271/
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