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先日参加したCanon EOS M5 タッチ&トライイベントの後半戦は、別室に被写体の雑貨の数々と交換自由のEF-M&EFレンズ群が用意され、一人一台のEOS M5 (試作機) を使って約1時間弱の試写タイム。
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このままレンズの海に溺れたいところですが、余裕がないのでここはぐっと我慢して、せっかくの新レンズ・EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMをつけていることだし、まずはM5と共に実力を拝見するのが先決。
機種説明のプレゼンではあれほど「のぞいて撮るスタイルに最適化したM5!」と強調されたのに、やっぱりチルト液晶の便利さゆえに、高い位置や低い位置など体をくるくる動かしてアングルに凝りたくなるのは、もう「動く液晶」に体が慣れ過ぎてるせいでしょう。
よく言えば、それほど身軽に飛び回りたくなるほど、フットワークが軽いカメラともいえるのですが。
以下、M5本体が映っている写真以外はM5の実写画像です。
※オリジナルデータそのものは持ち帰れませんでしたが、後日80%縮小のJPEGデータで頂きました。
※EOS M5本体およびEF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM は試作機であり、実際の製品版の品質とは異なる場合があります。
EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM はマクロレンズのように接写はできなくても、少しひいた位置からズームマクロとして使うと、バックも気持ちよくボケて、ピントが当たっている車の質感と存在が浮き出てみえて、ブツ撮りが楽しいこと楽しいこと。
ファインダーをのぞいた瞬間「おぉ、アガル♪」と思わずつぶやきました。
高倍率ズームなのに持っていて軽いので、展示会などのイベント会場での撮影など、混雑している人ごみでもそんなに苦にならず持ち歩けるし。商品にあまり近づけない時など、ブロガー属性にはこれ一本でめちゃくちゃ役に立ちそうです。
そして、EOS Mシリーズといったら、やっぱり試したいアレ。
6月に発売されたLEDライト付レンズ「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」。
通常マクロもそこそこ寄れますが、特にスーパーマクロモードにすると、もうこの位寄らないとピントが合わないというキワモノ。
幾重に重なるバラの花びらの奥まで引き込まれそうな柔らかい濃淡が印象的でした。
本当なら手持ちではなく三脚でがっちり固定してピントを合わせれば、顕微鏡の世界のように非現実的な世界もクリアにのぞけます。使い方次第では超絶面白い!
レンズ沼の隣の部屋では、また違う沼が。もうオタクホイホイかよ。
動体を追尾するサーボAFや秒7コマの連写性能を試すべく巨大鉄道ジオラマが用意されていました。
EOSシステムに慣れ親しんでいる人は即設定を変えられてましたが、私はまだまだEOSデビュー機80Dで連写もろくに使ってませんし、絞り・シャッタースピード・ISOなどはフルオートのまま、スタッフさんにサーボAF&連写モードに変えてもらってひたすら愚直に電車を追いかけてみました。
さすがに、ただただシャッターを押し続けるだけでジャスピンになるわけではありませんが、一度AFがとらえると、近くに複数の動体があっても、なかなかピンは外れません。
逆に、焦点の被写体を変えたい時(↑例えば、オレンジの電車から右の後続車へ)はタッチパネルで触れば、直感的に動かせて、すぐに追尾してくれるのはすごく便利でした。
ジオラマ目線で撮影していると、周りのブロガーが「巨大不明生物」のようで、それに向かっていく電車は。。。おっとネタバレはやめれ。
動くものもいいけど、その周りでたたずむ人々がいてこそだよねぇ。
看板フェチとしては、こういうとここだわって作られてるジオラマに弱いわけ。
「ナイスミディパス」の下には女性グループ、フルムーンパスの下にはシニアカップルを置いてくれるとさらに・・・・。
1時間の試写タイムはあっっっっという間に過ぎましたが、慣れてないカメラゆえというよりは、ただただ楽しかったのでした。
ずっと使ってても疲れないっていうのも、ポイント高いですね。
EOS M5は一眼レフのサブ機か、一眼へのファーストステップか、それとも、唯一無二のメインカメラか?
イベント中、私が80Dユーザーだと知る人からは何度か、「80Dから買い換えちゃえば?」と言われました。
それほどスペック的には似通っていて、何なら映像エンジンは後発な分80Dよりもいい位です。しかも価格.comで見る限り現時点でボディはほぼ同価格なんですよね!(80Dが下がったのか、M5の初動が高いのか・・?)
M5なら鞄に入る、M5なら荷物が軽い。Mレンズならかさばらない。
80Dより出動頻度が増えるのならば、その方が・・・。
それは頭ではわかるんだけど、一眼レフカメラを選ぶ人、ミラーレスカメラを選ぶ人は単なるスペックだけじゃなくて、そのフォルムというか自分のライフスタイルに合ったサイズやホールド感で選ぶので、「同じ絵が撮れるなら小さい方が」と言われても、それはどうだろう・・と思うわけです。
そういう点では、キヤノン側が目指すM5の想定ターゲット「ミラーレスユーザーがもっと表現の幅を広げる」ためのステップアップカメラとしては、存在意義はとても大きいと思います。
ちょっと前まではミラーレスカメラは平均7万前後でレンズキットが買えるのが主流だったのが、今では各メーカーの新型ミラーレスは軒並み13万前後。
その価格を出しても決して無駄ではない性能なので、今からカメラを始める人は、一眼レフまでの最初の一歩どころではなく、最初から本気モード全開でメインカメラに決めてもいいでしょう。
マウントアダプター経由でEFレンズも使えることで、昔から本気のEOSユーザーも「妥協のサブ」ではなく、戦力を落とすことなく活動範囲を広げられるM5。
ただどうしてもやっぱりアンバランス感は否めないので、連写する時などはシャッターショックが伝わりやすく、手ブレしやすいように感じました。
もちろん白レンズなんか解像感は段違いなんだけど、使いやすさは圧倒的にMレンズだもんなあ。
ここまでボディが本格的になってきたのなら、EFレンズに頼らずに、早急に専用EF-Mレンズでのラインナップ充実を図れば、もっともっと魅力的になるのに。
(だって、EFレンズありきだったら、元々のEOSユーザーしかうまみないでしょ!)
EF-Mレンズがもっと多様化してきたら、それこそ従来のkissユーザーあたりは相当数EOS Mシリーズに流れていきそうな気がするんだけどどうだろうか。
EOS M5 の発売は11月。まだまだ先だけど、キャンペーンサイトで「M5に期待!」コメントをつぶやくと先着でM5クリーナーがもらえるので、とりあえず早速呟きながら会場を後にした品川の夜でした。
いやあ、夜景もバッチリ撮れますね。会社帰りに撮影散歩したくなるな。
いいな。ボソッ・・。