我が家が「平成の大断捨離大会」を始めて早数か月。
本を電子書籍に替え、使わないゲームやカメラを売り、服を捨て、年賀状を裁断し・・・、そして今は、アナログレコードをデジタルファイルへと変換する「音の断捨離」中(らしい)です。(←ウチのミキサー担当が)
ウチに数十枚現存するアナログLPレコードのうち、CDで買い直していないもの約20タイトルをデジタル化し、終了後にレコードとプレーヤーを売却するのが目標。
夜な夜な自室(ウォークインクローゼットを改造した音工房)にこもり、ヘッドホンで音楽を聴きながらノリノリでエアカラオケしてる風景はちょっと気持ちが悪くて、面白そうなので、作業を取材することにしました。
「アナタはいったい何をしているんですか?」と一言質問しただけで、ものすごい熱と専門用語のマシンガントークで返されかけたので、「手順を写真で撮らせてください」とお願いし、意図的にスピードを落とさせることに成功・・・( ̄ー ̄)ニヤリ。
テスト音源は、往年のフュージョンバンド・カシオペアのデビューアルバム「CASIOPEA(1979年)」。TOP写真がこの裏ジャケです。向谷さんの髪がフサフサだw!
これを使って、一通りの手順を再現してもらいました。
レコードプレーヤー⇒ミキサー⇒オーディオインターフェースとケーブルでつないで、最後にUSBケーブルでパソコンへ。
パソコンにはDAW(Digital Audio Workstation)ソフトをインストール。今回使用しているソフトは、「Music Creator Pro2」で、イコライザーやVUメーターの無料プラグインを任意で追加しています。
ミキサーさん独自のこだわりとしては、作業前にミュージックチューナーをミキサーにつないで基準音(A=440Hz)を鳴らし、ミキサーからパソコンへの音声入力レベルを適正に調整し、基準を作っておくこと。
別に必須準備じゃないらしいけど、ジャンルやピークレベル、音域が違うレコード群を連続して録音する時に、最低でも入力レベルは一定にしておけば、ライブラリー全体のピーク調整をするときに、問題の切り分けはしやすいのかも。
(基準音を鳴らしてレベル調整している画面:クリックで拡大可)
その後、録音するレコードを適当に再生し、盛り上がりMAXのサビ周辺を参考にボリュームレベルを調整。
ウチのレコードプレーヤーはもう10数年前の安物なので、若干の針の傾きがあって、左右の音声レベルが均等にならないらしく、それも影響。
(安物・古物はそういう手間もあるのな・・orz)
準備ができたら、いよいよダビングスタート。ソフトのRECボタンを押した後、レコードに針を落として曲を録音します。
録音は通常レコードの片面終了まで一気に行い、その間ずーーーっとモニターしています。途中の針飛びとかプツプツノイズに全録音終了後に気が付いても、再録音の二度手間になるし、最悪なのは曲の最初と終わりの分割ポイント、サビ周辺だけチェックしてファイル作成しちゃって、レコード売却後に発覚しても後の祭り・・的なw。
片面録音が終了したら、1曲ごとの分割作業。針を落とした音、曲頭・終わりの余分な間はカットします。余韻や雰囲気づくりの間は好みで。
曲ごとにファイルを整えたら、今度は「デジタルプレイヤーで聴きやすいような音作り」。アナログレコードをそのままダビングした原本ファイルをパソコンやデジタルプレイヤーで鳴らす場合、低音域が弱く、迫力やメリハリに欠けて聞こえることが多いので、弱い音域や自分好みに持ち上げたい音域を調整する必要があるみたい。
まぁ、あくまで好みの問題で、その昔カセットテープでダビングしていた時代に、やれTDKのメタルテープがいいだの、SONYのハイポジが何だのと言ってたのと似ているかな。
スリーバンドコンプレッサーのプラグインを入れて、いわゆるマスタリング作業で仕上げます。なるほど、低音域・中音域・高音域だからスリーバンドなのか・・初めて知った(笑)。
ちなみにこの作業前には、先ほどアナログ⇒デジタル録音の際にチューナーの基準音でベースを作ったように、今度はデジタルプレイヤーで聴くための基準を作るために、ネット上でダウンロードしてきた「A=440Hzの音声ファイル」で調整するらしい。
いやー、地道。そして地味(笑)。でも音楽好きで、かつ自分が愛して今まで持っていた音の思い出ともう一回じっくり向き合うのは楽しい作業なんだろうな。
写真の整理の最中に見入ってしまって全く終わらなくなるのと同じかも。
おまけ:地味な作業の癒しになっている写真は、写真家・富久浩二さんの作品。
写真展の時にお気に入りの写真をもらっちゃいました(くすねたんじゃないぞっ)
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断捨離って・・・、何を整理している時も感じたことですが、単に部屋が片付くとか物が減るとか、そういう意味だけじゃなくて、「自分の生活に、未来に、何がどのようなカタチで必要なのか」を考えさせられる作業ですね。
本もレコードも、決してアナログが嫌いになったわけじゃなく、むしろ今でも好きだけど、どんなカタチで持っていてもずっとその世界を感じられる環境を整えることが、今の私(達)にとっての最優先なのかなと思い、デジタル化を進めています。
以前、私がブロガー仲間のキティさんに公開説教されていた影響が3年経って徐々に出てるかも(笑)。
キティ師匠!今やあなたの弟子・のぽりんは、「棚に入り切らないものは捨てる」だけじゃなく、「棚を減らす」ところまで来てますよ!ほめてw!
あ、ちなみに公開説教の模様は、拙著「電子書籍リーダー女子 人生を楽しくする電子書籍の始め方」でも紹介しています。スマホ・タブレットのKindleアプリでどーぞー♪
最後に壮大なステマで終了・・( ̄ー ̄)ニヤリ。
★キティさんちの参考サイト:モノを減らしてシンプルライフ