LR-0353

今月、新たに日本から世界文化遺産が生まれることが決まった。
福岡県沖の玄界灘に位置する「神宿る島」・沖ノ島と関連遺産群だ。

と、偉そうに書き始めたものの、そもそも沖ノ島を私は知らなかった。
もちろん今回世界遺産指定された地域の文化や祭祀にまつわること、その遺産群の存在なども、どこにあるのかすらピンとこない。
私は、本州と北海道以外行ったことない人間で、多分日本好きの外国人より全然日本のことを知らないかもしれない。

世界遺産登録決定はテレビニュースで知り、その島の詳細についてはその1週間後、意外なところで知ることになった。

星野源と香取信吾の対談が読みたくて今月だけ買っている雑誌「AERA」。
dマガジンではこのページ載らないんだもんなぁ・・・。
この企画の人気で日本中の本屋さんからAERAが消え、売り切れが続出、対談が載っている4週分すべてが増刷されるらしい。
創刊以来の珍事だそうで、ってそんなことはどうでもいいか。

_20170722_230538

その7月17日号に、写真で綴る「沖ノ島」特集が載っていた。

沖ノ島は大和朝廷の頃から国家祭祀が執り行われ、今でも祭祀の遺跡や宝物がほぼ手つかずのままで残され、国宝が8万点あり「海の正倉院」と呼ばれていること。

島自体が信仰の対象であり、神職以外の上陸を禁じられていること。

島で見たものは一切話してはいけない「不言様(おいわずさま)」、「一木一草一石たりとも島外に持ち出してはならない」などの禁忌があること。

そして、特別許可をもらって島の全貌を撮影している藤原新也さんという写真家がいるということ。
その写真がとても神秘的で素晴らしいこと。

すべて今回初めて知ったのだ。
ありがとう、AERA7月17日号。ありがとう、星野源(と香取信吾)。
dマガジンに載ってないじゃないかと不満をたれて申し訳ありませんでした。

あ、ちなみにAERAは本屋じゃなくて鉄道駅ホーム売店が狙い目です(どうでもいい)。

「沖ノ島」写真展で神宿る島への旅に出る

日本橋高島屋で藤原氏の沖ノ島写真展が開かれるということを、やはりAERAの記事で知り、会社帰りに早速行ってみた。

LR-0342

会場は写真・動画撮影OK。SNSへのシェアもオールクリア。
みんな思い思いの写真で立ち止まり、自分の眼とスマホに焼き付ける。

Photo2

自然信仰の聖地は高みを上った先にあることが多いが、沖ノ島は岸から一度上った後、すり鉢状になった島中央へ降りて行った先に神を奉った本殿があるらしい。
写真の前に立つと、ちょっと吸い込まれそうな、木々がざわめく音が聞こえてくるような不思議な感覚。

Photo4

島内に上陸できる神職でさえ、入ることのない禁足の森。
それでも「後世に伝える」ために撮影を許されたというのは、すごく重責と緊張感が伴う撮影だったに違いない。10メートル以上のパノラマ配置の真ん中に立つと、見る方も禁忌に触れたような罪悪感と、臨場感に包まれる。写真でできる追体験ってすごい力だなと思う。

Photo1

国宝級が8万点、その他今も島内に無造作に土器や宝物がそのままの状態で放置されてるって、どんだけ・・・・。
まさに人が入ってない証拠だし、それをかたくなに守り続けた人々は偉い。

LR-0367

LR-0375

写真展では沖ノ島の風景だけでなく、関連遺跡群から発掘された宝物の写真も展示されている。
Photo3

LR-0378

宗像市・沖ノ島の3宮を奉る例大祭は、沖ノ島への一般男性の上陸が許される(それでも抽選で200名程度)貴重な機会だったのが、世界遺産登録により、それも2018年からは研究者らを除く一般人の上陸は全面禁止になるらしい。

LR-0381

女人禁制の沖ノ島でも、島が奉る神は「田心姫神(たごりひめのかみ)」という女神様。
その姿を形にしてみたいと、沖ノ島を望む砂浜で藤原さんが写した写真。

LR-0386

順路の最後には、映像による沖ノ島の風景と藤原さんインタビューの動画(25分)コーナーも。
ここにたどりつくまでに見てきた写真の意味や、追体験してきた風や空気をより深く味わえる構成で、これは全部通してみる価値はある。

ちなみに、7/25にはBS朝日でドキュメンタリー番組も放送されるので、会期中に写真展に来れない人はそこで是非。

DSC_0627

世界遺産に登録されることで、広く一般的に知られるようになった一方で、神格を守るために俗世との隔絶を一層強固にした沖ノ島。
現地での空気感を味わえなくとも、この写真展を訪れることは、これもまた神宿る島への上陸だと思う。

帰りには沖ノ島の写真集を買い、帰宅後も公式Webサイトで、詳しい歴史を読んで思いをはせる。

始まりは星野源でも、すごい歴史を知り、すごい自然を知り、すごい写真と出会えた。
世の中はどこかで何かとつながっている(私調べ)。

【関連サイト】

写真展「沖ノ島 神宿る海の正倉院」 
東京・日本橋高島屋 8階ホール(~8月1日まで)
※サイトに100円割引Webクーポンあり

BS朝日「沖ノ島~藤原新也が見た祈りの原点
2017年7月25日(火)21:00~21:54
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群 Webサイト