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彼から、一通の手紙が届いた。
普通の白い洋形封筒を開けると、その中にはまた黒い封筒。マトリョーシカのように、延々開けていって、最後に何がでてくるのだろう?と思いつつ、あまりに強固に封蝋がしがみついていたので、ならば私は開けぬ!と机に投げても、中から後生だから開けてくれと何かが叫ぶ。

この手紙の差出人のことを「黒い人」という人もいる。

その独特の世界観を放つ、彼の写真は往々にして少し黒いからだ。

写真以外は、髪も黒い。
瞳も黒い、と思うが、瞳の色を判断できる距離で見つめることがないのでわからない。

腹黒いかと言われれば、真っ白なシャツの第ニボタンだけを赤くまあるいボタンに変えて、「さぁ、僕に近付いて押してくれ!」と言わんばかりのアピールをする程度には腹黒い。 

でも、まんまとその毒牙にかかり、吸い寄せられるように満面の笑顔でポチっと押しに行くのは、美食家なのに激やせを保ったままの会社社長位である。

封筒の中身は写真展のポストカード。明日から彼は30点の写真を飾る個展を開く。
困ったことに私は、彼のその黒い写真が好きだ。黒い動画もあるが、それはもっと好き。

よりによって、街中白く清らかな調べと光に満ち溢れる聖なる週間にやらなくてもと、思わなくもないけど、あえて私はここへ行く。
影の中に差す一筋の光「HOPE」は何より白く見えるから。

別に全部黒いわけでもないし、色彩を持たないわけもない。

白か黒かで言われたら、そりゃ黒いよね、という区分けになってしまうけど、白くないかと言われると、そうでもないからタチが悪いだけだ。

ミスチルは歌う。

“白か黒かで答えろという難題をつきつけられ
ぶち当たった壁の前で僕らは迷っている 迷ってるけど
白と黒のその間に無限の色が広がってる”
(Mr.Children「GIFT」)

彼の写真もまた、見る人の頭にそれぞれ違う、無限の色が広がるはず。

「そんなに黒くならない予定なんで・・・」
うん、それはウソだよねw。まぁ、黒くても黒くなくても、私は行くよ。

Introduction for “HOPE”

Introduction for  "HOPE"

Introduction for "HOPE"

Koichi Ito  Flickrページより抜粋(※掲載許可済み)

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伊藤公一写真展「HOPE」

Photo Gallery Place M
http://www.placem.com/
東京都新宿区新宿 1-2-11 近代ビル 3F
2015/12/21mon. – 2015/12/27sun. 12:00〜19:00
会期中無休、入場無料
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