先ほど、一冊の小説を読み終わりました。このクソ忙しい年末の半日を割いて(笑)。

箱根駅伝を目指す学生たちの青春小説、「風が強く吹いている」です。

私は昔から、箱根駅伝ファン。もう何十年と数えるのも厳しい位。
昔実家で箱根駅伝を見ながら、母と「この選手、かっこいいわね。顔は区間賞だね」なんつって見ていた人が、今は早稲田大学の駅伝監督になってる、そんな位の昔かな。

そして、結婚したダンナさんの母校も箱根駅伝には毎年関わっている(最近出るか出ないかなんだけどw)ので、もっとファン度に拍車がかかってまた10年。中継所にも応援に行ったし、箱根の往路ゴールも見に行きました。

もう、駅伝関係の密着ドキュメントや予選会中継なんてテレビでやられた日にゃ、どうしたって号泣ですよ。
食パンはPasco!ビールはSAPPORO!

そんな箱根フリークを自負していた私がこの小説に4年も気が付かなかったとは不覚でした。今は気が付いたらKindleで10秒後に読み出せるっていい時代だね(笑)。昨日の夜から速攻読んで、さっき読了。


風が強く吹いている(三浦しをん 著)
Kindle版 820円
文庫版 882円

まほろ駅前多田便利軒」なら持ってるのに!「まほろ駅前番外地」だって!
この小説、Reader買った時にお試し版だって入ってのに!あれぇぇ…orz。

この小説は、作者自ら、駅伝経験者や実際の出場経験大学の駅伝部を取材し、早朝の練習や高原の夏合宿に随行、記録会や予選会を見学、そして、もちろん正月は「箱根」へ、と徹底取材を敢行して書き上げた小説だけあって臨場感がハンパない。

新入生と先輩、指導者との関係はどうか。
予選会までの練習はどんなきつさなのか。
予選会を突破するための1秒の重さと厳しさはどんなか。
当日までの心身のコンディション維持はどんなに繊細なものか。
1区~10区までのランナーとそれに寄りそう部員はどんな気持ちなのか。
他区にいる選手間でどんな連絡や支える言葉がかかるのか。
走り終わった後、大手町に結集するランナー達の交通機関は(笑)?
部員周辺にいる後援会やボランティア達の想いは。
大手町ゴールでアンカーがテープを切ることの意味とは。

ストーリー的には、昔強かったけど怪我で一線を退いたランナーが、天才的素質を持つ新入生と、その他は陸上の素人をかき集め無謀にも1年で箱根駅伝出場を目指す、という冷静に考えればあり得ない夢物語だけど、きっと箱根駅伝を目指すすべての大学生達がこういう葛藤と努力と絶望と喜びを抱えて、あの2日間に臨んでるんだと思わせるリアリティがあって、泣けましたねぇ。

箱根駅伝をいつも見てない人も、この小説を読むと各コースのポイントや難所にくわしくなっちゃって、「そこの遊行寺の坂がさー、ドラマを作るんだよねぇ」とかなんとか言っちゃうまで、入り込んで中継を見ちゃうんじゃないかな(笑)。
電子書籍なら今から買って読んでも、まだまだ2日のスタートには間に合うので、年末年始テレビが面白くない人は是非!

本の中のセリフを借りて言うならば、

「大手町で待ってます」

私は、すべての出場選手に心で呼びかけて、1月2・3日テレビに向かいます。

【余談ですが・・・】
Kindleに出てくる「章を読み終えるまで〇〇分」って、精度高くてビビった・・・(-_-;)
私の読書スピード測ってんのかな?


風が強く吹いている(三浦しをん 著)
Kindle版 820円
文庫版 882円


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。